2、食と暮らし
早大生の庭ともいえる高田馬場。ここが「リトルヤンゴン」と呼ばれていることをご存知だろうか—。
駅から歩いてすぐの路地裏にミャンマー料理店「ノング・インレイ」は店を構える。
薄暗い雑居ビルに足を踏み入れ店内に進むと、そこには異国情緒たっぷりのレトロな雰囲気が広がっていた。
このお店で提供されるのはミャンマーの少数民族であるシャン族の「シャン料理」。聞き慣れない料理名から少し身構えたが、いざ口にしてみるとパクチーの香りとナッツの香ばしさが程よく、とても食べやすかった。油分が少なく発酵食品が豊富なことから日本人の舌にも合いやすいのだという。
現在高田馬場にはおよそ2000人のミャンマー人が暮らしており、数多くのミャンマー料理店や雑貨店が存在する。しかし、その多くは新型コロナウイルスによって客足が激減し、厳しい経営状況に追い込まれた。そんな状況を打開すべく、「ビルマのたべごとプロジェクト!高田馬場から広がれミャンマーの味!」と題したクラウドファンディングが行われると、わずか37日にして目標金額である88万円が集まった。
また私のような学生にとっては、ミャンマーという遠く離れたゆかりのない土地に思いをはせるきっかけになる。
食べることは、生きること。
そんな言葉があるが、日本で暮らす外国人の食を守ることは、彼ら彼女らの暮らしを守ることにつながるのではないかと思った。