通〜ぶりズム

街を通ぶって歩く、通〜ぶりストたちによるブログです

3、共生の最前線

東京から電車に揺られること2時間半、群馬県大泉町に着いた。大泉町は、人口の10%以上を日系ブラジル人が占め、日系ブラジル人の一大コミュニティを有する。

近年は、町内の外国人の出身地はアジア各国に拡大している。黄色と緑色に塗装された真新しい駅には、6か国語で書かれた「ようこそ」の文字が掲げてある。

 

駅近くにある日本定住資料館では、「デカセギ」と呼ばれる日系ブラジル人の来日の背景、労働・生活環境に関する苦悩がありありと展示されている。
資料を見ていると突然、観光協会の方から声をかけられた。
「これからご当地グルメの試食会があるけど、食べて行かんか」


聞けば、前橋市の大学生がブラジル料理とコラボして、群馬県産のさつまいもを使ったパステル(小麦粉でできた生地に具材を入れて揚げたもの)を試作しているというのだ。試行錯誤を繰り返して、食べやすさやパステルの宣伝方法を検討している様だった。

パステルを試食しながら、観光協会の方に町の様子を聞いた。
大泉町での共生はまだ道半ばだ」
この言葉と定住資料館の展示を重ね合わせると、大泉町が30年に渡って共生の最前線にいたことを実感した。前橋市の大学生・観光協会の方々は、様々な文化が交錯する大泉町において、それぞれの立場で共生を模索している。彼らとの出会いは私自身に「共生とは何か」を問いかけている。

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群馬県産のさつまいもを使ったパステ