通〜ぶりズム

街を通ぶって歩く、通〜ぶりストたちによるブログです

数字と記憶

私たちは、人生を重ねるごとに特別な意味を持つ数字が心に刻まれ続ける。

これは人類全体をとっても、忘れられない特別な出来事は、数字をもって人類史に刻まれ続けていく。

数字は世界人類共通、一番通じる記号の概念だ。しかも言語や文化に興味がない人でさえも数字というのは自分の生活、ひいては生存に関わる強い力を発揮する。

そして数字は私たちに大切な過去の記憶について教えてくれる。

アフガニスタンでのニュースを聞いていると、911の数字を思い出してしまう。911アメリカ同時多発テロ事件が世を脅かした時、私は1歳だった。

大手町のビルの合間には911テロで亡くなられた遺族の慰霊碑がある。

これは、みずほ銀行の前身である、富士銀行ニューヨーク支店の犠牲者のために設置されたものだ。亡くなられた12名の姓名がそこに記されている。

海外で仕事をすることにワクワクしたり、高い志を持つ若者は多い。当時もそんな若者がここ日本から10840km離れた地で目を閉じた。911の数字を大切に繰り返すのは、悲惨な歴史を学ぶだけではなく彼らのことを記憶しようと試みることでもあるのだ。

人類は繰り返してはならない特別な記憶を、繰り返される数字に頼りながら継承してきた。毎年やってくる数字によって、事実と構造を思い出すことだけではなく、当時を生き抜いた人々に心を寄せ、違う世界に生きていながらも彼らの目線に立つ努力をしてみる。

これは過去の記憶をつなぐことだけではなく、今同じ時代を生きている人々の間でもできることだ。私たちは常に誰かの記憶と共有しながら自分の人生を生きているのだ。人間はひとりで苦しみを抱えることはできない。ひとりでは決して生きていくことができないことを忘れてはならない。

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大手の森にある911同時多発テロの慰霊碑