通〜ぶりズム

街を通ぶって歩く、通〜ぶりストたちによるブログです

日本スポーツのグローバル化

「トンガ」(正式名称はトンガ王国)という国を皆さんは知っているだろうか。ポリネシアに属する人口10万人程度の小さな島国だが、日本のラグビー界隈ではこの国を知らない人はいないと言っていいほどである。

 

なぜなら日本のラグビー界にはトンガ出身の選手が非常に多く在籍しているからだ。もちろん学生ラグビーでも高校、大学と私が知っている限りでも数十人はいるだろう。

 

私が初めてトンガ人と触れたのは高校生の時。試合の相手校にトンガからの留学生選手が何人もいた。彼らは一般的な日本の高校生ラガーマンの身体つきを超越しており、体重100キロ越えは当たり前。中には120キロを超える選手もいた。そんな彼らが全速力で自分に向かって突っ込んでくる。吹き飛ばされたことも何度もある。正直に言って、生きた心地はしなかった。

 

当時、外国人留学生を反則扱いするような意見はよく聞かれた。特に保護者からは「一緒にプレーしたら危ない」「一生懸命練習している日本人の高校生がかわいそう」など否定的な意見も多かった。特に印象的だったのは相手校のベンチでトンガ国旗が振られていたことがあった。「なんだあれは。」「もはや日本の学校ではない。」そんな声も聞こえてきた。

 

しかし彼らは純粋に一生懸命ラグビーをやっているだけ。何人ものトンガ出身の選手が日本で活躍する背中を見て、日本での成功を夢見て母国を飛び出した選手も多いことだろう。

 

実際に話してみるとても優しい選手が多く、怪我をしたときには「大丈夫?」と近寄ってきてくれる。そんな印象だ。彼らがそんなことを言われるいわれは無い。

 

ラグビー日本代表にも見られるように、日本のラグビー界には様々な国にルーツを持つ選手が多く在籍している。また、大阪なおみ選手、八村塁選手、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手のように日本以外にもルーツを持つ選手の活躍が多く見られるようになってきた。今後、他の様々なスポーツでも日本以外の国にルーツを持つ多くの選手が日の丸を背負って戦う日もそう遠くないだろう。

 

また、最近では様々な学生スポーツ(特にラグビー)において、外国人留学生を積極的に呼び込み、留学生を中心とした戦術で強化を図って、全国の舞台で活躍する学校もたくさん現れた。現に、昨年の全国大学ラグビーフットボール選手権のトーナメント出場14チーム中、9チームに外国人留学生が所属していた。

 

日本スポーツ界のグローバル化。その変化の真っ只中なのだ。

 

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